毛皮のマリーズ『Gloomy』(2009)
1週間で完成させたアルバム。これが話題になり、メジャーレーベルとの契約が実現した。インディーズ時代のマリーズのアルバムの中でもぶっちぎりで出来がいいと思う。
歌詞世界は「理想と現実のギャップに苦しんでいる俺」。演奏のカッコよさと歌詞がいい具合に絡み合っていて素敵。
サウンドは志磨遼平の渋谷系魂が爆発してる。名曲の引用がかなり多い。
評価: 名曲もある
- チャーチにて
- 人間不信
- 愛する or die(Raw Ver.)
- Honey Apple
- ザ・フール
- 人生Ⅱ
- God Only Heavy Metal
- 超観念生命体私
- 小鳥と私
- 恋をこえろ
- 平和
- The Heart Of Dixie
- 悪魔も憐れむ歌
人間不信
マリーズ解散後に志磨が結成したドレスコーズでもたまに演奏される名曲。日々の生活における嫌なヤツらへの憎しみ、神様とやらへの愛憎入り交じった感情が爆発する前半部、ビートルズの「A Day In The Life」の引用と決意表明、そして怒りが爆発する後半部の2部構成。
かなり陰気臭い歌詞なのに耳触りがとてもいい。志磨の歌詞はこういう傾向がある。歌ってみると気持ちいい。才能あるー。
そして演奏。マリーズのロックナンバーでは一番かっこいいと思う。西くんのギターがうなりを上げていてすげえ。
愛する or die(Raw Ver.)
ベイ・シティ・ローラーズの「Saturday Night」を下敷きに、ここでも神様への愛憎が叫ばれている。この歌詞のユーモア感がエゲツナイ。怒りを勢いにまかせてぶちまけているだけではなく、元ネタにあわせて韻を踏んでいるところも遊び心があっていい。
恋をこえろ
ストレートなメッセージソング。「コミック・ジェネレイション」の
愛も平和も欲しくないよ
だって君にしか興味ないもん
に近いメッセージが前編に渡って歌われている。勢い重視のロックンロールで好き。
悪魔も憐れむ歌
最後はアコギ1本でシメ。音楽に対して献身的なロックンローラーの心の内を歌い上げてる。